「いつか独立したい」「自分のビジネスを持ちたい」
そう考えている人は少なくありません。でも実際に踏み出す人は少ない。
理由は明確です。「失敗が怖い」から。
今回は、起業のリスクを確率的に分析してみます。感覚ではなく、数字で見ると、景色が変わるかもしれません。
起業の失敗率は本当に高いのか
「起業の9割は失敗する」とよく言われます。
実際のデータを見てみましょう。中小企業白書によると、
・創業1年後の生存率:約95% ・創業3年後の生存率:約88% ・創業5年後の生存率:約82% ・創業10年後の生存率:約70%
思ったより高くありませんか?
10年で30%が廃業する一方、70%は生き残っている。「9割失敗」というイメージとは、だいぶ違います。
ただし、「生存している」と「成功している」は別の話。食べていくのがやっとという会社も含まれています。
起業失敗の主な原因
失敗する起業には、共通したパターンがあります。
1. 市場調査の不足(約40%) 「これは売れる」という思い込みで始めて、実際には需要がなかった。
2. 資金繰りの問題(約30%) 売上はあるのにキャッシュが回らない。黒字倒産も珍しくない。
3. チーム・人材の問題(約20%) 共同創業者との関係悪化、人が採れないなど。
4. タイミング(約10%) 早すぎても遅すぎてもダメ。市場の成熟度との兼ね合い。
これらは、事前の準備で確率を下げられる要因ばかりです。
起業リスクを下げる方法
確率的思考で起業リスクを管理するなら、こんなアプローチが有効です。
1. 小さく始める
いきなり会社を辞めて全財産を投じるのはハイリスク。
副業として始める、週末だけやってみる、最小限の投資で市場反応を見る。うまくいく手応えを得てから、本格的に動く。
2. 撤退ラインを決めておく
「6ヶ月で売上が立たなければ撤退」「貯金が〇〇万円を切ったらやめる」
感情に流されず、事前に決めた基準で判断することで、致命的な失敗を避けられます。
3. 複数の収入源を確保する
一つの事業に依存しない。本業を続けながら、複数の小さな事業を試す。
リスク分散は投資の基本ですが、起業にも当てはまります。
4. 失敗しても取り返せる範囲でやる
借金をして起業は危険。失敗したときのダメージが大きすぎます。
自己資金の範囲、または失っても生活に支障がない範囲で始める。
「失敗のコスト」を計算する
起業で最悪の場合、何を失うか?
・投じたお金 ・費やした時間 ・安定した収入(会社員を辞めた場合) ・精神的なダメージ
これらを具体的に計算してみてください。
「最悪でも貯金200万円と2年間を失うだけ。再就職すれば取り返せる」
こう考えられるなら、チャレンジする価値はあるかもしれません。
起業しないリスクもある
起業のリスクばかり考えがちですが、「起業しないリスク」もあります。
・やらなかった後悔 ・サラリーマンとしてのキャリアリスク ・市場機会の逸失 ・成長機会の放棄
10年後、20年後の自分を想像してみてください。「あのとき挑戦しておけば...」と後悔する確率は、どれくらいでしょう?
結論:確率を計算した上で決める
起業は、やみくもに恐れるほど危険なものではありません。
正しく準備し、小さく始め、撤退ラインを決めておけば、リスクはコントロールできます。
「確率的に考えて、挑戦する価値があるか」
この問いに「Yes」と答えられるなら、踏み出してみる価値はあります。「No」なら、条件を整えるか、別の道を探す。
大事なのは、感情ではなく確率で判断すること。それができれば、どんな決断をしても後悔は少なくなります。