「あのとき、ああしていれば...」
誰もが一度は経験する後悔。でも、その後悔は本当に正当なものでしょうか?
今回は、意思決定の核心である「期待値」の考え方をお伝えします。これを理解すると、後悔の仕方が変わります。
後悔には2種類ある
後悔には、正当な後悔とそうでない後悔があります。
正当な後悔:判断のプロセスに問題があった 例:よく調べずに決めた、感情に流された
不当な後悔:結果が悪かっただけで、判断は正しかった 例:確率的には正しい選択だったが、運悪く失敗した
期待値の考え方を使うと、この区別がつくようになります。
期待値とは何か
期待値は、「選択の価値を数値化したもの」です。
計算式はシンプル。
期待値 = 成功時の利益 × 成功確率 + 失敗時の損失 × 失敗確率
例を見てみましょう。
あなたの前に2つの選択肢があります。
選択A:確実に100万円もらえる 期待値 = 100万円 × 100% = 100万円
選択B:50%の確率で250万円、50%で0円 期待値 = 250万円 × 50% + 0円 × 50% = 125万円
期待値だけで見れば、選択Bの方が有利です。
でも多くの人は選択Aを選びます。なぜでしょう?
期待値だけでは決められない理由
人間は「損失」を「利益」より重く感じます。これを「損失回避」と呼びます。
100万円を失う痛みは、100万円を得る喜びの約2倍と言われています。
だから、期待値が同じでも「確実に得られる方」を選びがち。これは非合理ではなく、人間として自然な反応です。
期待値+リスク許容度で判断する
期待値は判断材料の一つであって、すべてではありません。
実際の判断では、「リスク許容度」も考慮に入れます。
・その損失を受け入れられるか? ・最悪の場合、生活に支障は出ないか? ・精神的に耐えられるか?
期待値が高くても、リスク許容度を超えているなら、選ばない方がいい。
逆に、期待値がやや低くても、リスクが許容範囲内なら、挑戦する価値があるかもしれません。
後悔を減らす期待値の使い方
期待値思考を身につけると、後悔の仕方が変わります。
判断時 「この選択の期待値はプラスか?」 「リスクは許容範囲か?」
この2つをクリアしていれば、自信を持って決断できます。
結果が出た後 「期待値はプラスだった。判断は正しかった」 「結果が悪かったのは、確率の問題。次も同じ判断をする」
こう考えられれば、結果に一喜一憂しなくなります。
長期で見れば期待値通りになる
一回の判断では、期待値通りにならないことも多い。
50%で成功する選択で失敗することは、普通にあります。
でも、その選択を100回繰り返せば、ほぼ50回は成功する。期待値通りに収束するのです。
人生は一回きりですが、似たような判断は何度もあります。
転職、投資、挑戦——それぞれは一回でも、「リスクを取って挑戦する」という判断は何度も繰り返されます。
長期で見れば、期待値がプラスの選択を続ける人が、最終的には良い結果を得ます。
「運が悪かった」で終わらせる勇気
期待値がプラスの判断をして、それでも失敗することはあります。
そのとき、「判断が間違っていた」と考える必要はありません。
「判断は正しかった。ただ、今回は確率の悪い方に出た」
こう受け止められるようになると、必要以上に自分を責めなくなります。
後悔すべきは「判断のプロセス」であって、「結果」ではない。
この視点を持てるだけで、人生の後悔はぐっと減るはずです。